絵を描かれる方で、スケッチやデッサンを大切にされている方が多いです。

デッサンやスケッチは、観察力を養うための訓練と言う方もいますが、
この記事では、日本画家堀文子先生の「年月の記録 スケッチ帳
(財団法人林美術財団名都美術館 出版)」という本で、
気付かされたスケッチの価値について紹介いたします。

1. 日本画家堀文子先生の略歴

1918年東京生まれ。

1936年18歳 女子美術専門学校(現女子美術大学)師範科日本画部に入学

1939年22歳 第2回新美術人協会展に出品し、初入選

その後、数々の美術展に出展。

また、アマゾン、マヤ遺跡、インカ文明、ヒマラヤ、イタリアのトスカーナ地方の取材旅行をするなど、好奇心旺盛に活動されていました。

2019年に永眠されました。

作品として、花や鳥などの自然の生命をモチーフとする作品が多いです。

 

2. 堀文子先生のスケッチ

堀文子先生は、本の中で次のようなことを言われいます。

「私のスケッチは、西洋流の画法とは全く違い自然の生態を描き留めた記録で人に見せる為のものではない。草木の色や形の表面の組織の奥にある命の神秘を
覗くような不思議な世界に導かれその驚きを描きとめようとする作業なのだ。」

スケッチは、自らの驚きを描き留めた、ただの記録と言っています。

さらに次のようなことも言われています。

「自然との出会いでできた素描は私の基礎であって、それ以上になれなかった
私の姿なのだ。」

どんなに描き留めても、自然の美しさ以上になれなかった、自分の姿を客観的に
捉えているように思います。

堀先生にとって、スケッチとは、基礎でも、ありのままの自分を写し出した記録であったのではないかと思われます。

 

3. スケッチについて思ったこと

私は、堀先生の本を読むまでは、スケッチとは、自らの観察力を高める
鍛錬のようなものと思っていました。

しかしながら、スケッチは、あくまで、自分がその時、感じたものを描き留める
作業でありながら、感じたもの以上になれないことに気付かされる機会でも
あるかもしれません。

絵を描き続けると、「慣れ」というものが発生しますが、スケッチによって、
そういった自惚れを修正される気がします。

見たものをその場で描き留めるスケッチは、感性に火をつけて、目に焼き付けることのように思います。

スケッチは、スマホで気軽に見たものを写真に残す時代で忘れていた
感動の残し方であるかもしれませんね。

堀文子先生の作品は、愛知県の名都美術館で鑑賞できますので、
興味がある方は、お立ち寄りしていただけると幸いです。

名都美術館

http://www.meito.hayatele.co.jp

 

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